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増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕
たこいぼ状隆起(varioliform gastritis)
著者: 小林亜也子1 中村真一1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター消化器内科
ページ範囲:P.576 - P.576
文献購入ページに移動中心に小陥凹がある疣状の隆起をたこいぼ状隆起と呼び,たこの吸盤に似ていることからこの名がつけられた(Fig. 1,2).たこいぼびらん,疣状胃炎,隆起型びらん(raised erosion)とほぼ同義であり,updated Sydney systemの胃炎分類にも記載されている1).
ポリープ状,棍棒状,数珠状などの形態をとり,前庭部に好発するが胃体部に認めることもある.多発することが多いが,単発のこともある.中心の陥凹は発赤調で同心円状を呈し白苔を伴うこともあるが,蚕食像などの悪性所見を認めない(Fig. 3).病理組織学的には中心のびらんとその周辺の胃固有腺の過形成である.びらんが治癒すると半球状隆起として観察される.
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