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増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕
腸上皮化生(intestinal metaplasia)
著者: 末廣満彦1 春間賢1
所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター総合内科2
ページ範囲:P.579 - P.579
文献購入ページに移動腸上皮化生はHelicobacter pylori(H. pylori)感染などにより胃粘膜上皮がびらんと再生を繰り返すことにより,腸管粘膜上皮の形態に変化した状態であり,胃癌発生の高危険群でもある.腸上皮化生には細胞組成から完全型と不完全型に分けられ,完全型では吸収上皮と杯細胞,Paneth細胞から成り,刷子縁様構造を伴い小腸粘膜と同じ形態と構造を持つ.不完全型はPaneth細胞を欠き,胃型と腸型の細胞が混在する胃腸混合型の腸上皮化生と考えられている.また,化生胃小区の形態より隆起型,平坦型,陥凹型に分けられる.
腸上皮化生は現感染のみではなく,H. pylori除菌後でも観察され,長期間にわたり残存する.除菌後の特徴的な所見として地図状発赤があるが,生検による組織検査では腸上皮化生の所見が得られることが多い.
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