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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕

不整形陥凹(irregular shaped depression)

著者: 赤松泰次1

所属機関: 1長野県立須坂病院内視鏡センター

ページ範囲:P.581 - P.581

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定義
 病変の形態が,円形(隆起性病変の場合は球状または半球状)ないし類円形の場合は整,それ以外の場合は不整と呼ばれている(シェーマ).これに対して不整形陥凹とは,病変の辺縁が内に向かって凸の形態を示す場合を指し,星芒形とも呼ばれる.不整形陥凹性病変を認めた場合,まず胃癌(Fig. 1,2)1)や悪性リンパ腫(Fig. 3,4)2)といった悪性病変の可能性を考慮しなければならないが,急性潰瘍や胃梅毒などの特殊型胃炎に伴う潰瘍も不整形を呈する場合がある.一方,消化性胃潰瘍の辺縁は通常,外に向かって凸で,円形ないし類円形の整の形態を示す.陥凹性病変を認めた場合は,まず辺縁の形状に注目して整か不整かを見極めることが,胃陥凹性病変の鑑別診断に重要である.

参考文献

1)赤松泰次,高橋俊晴,市川真也,他.胃癌の標準的な内視鏡診断.消化器内視鏡 22:12-17, 2010
2)須澤兼一,金子泰典.松田賢介,他.Helicobacter pylori陰性胃MALTリンパ腫の1例.胃と腸 41:1352-1355, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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