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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕

ひだ集中(Faltenkonvergenz, convergency of folds)

著者: 入口陽介1 細井董三1

所属機関: 1東京都がん検診センター消化器内科

ページ範囲:P.583 - P.583

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定義
 ひだ集中は,潰瘍あるいは潰瘍瘢痕に向かって周囲から粘膜ひだが集中する現象を指し,1921年,Eisler-Lenkによって初めて記載された.1926年,Hauserは大きさが1cm以上で筋層深くまで達していて,粘膜筋板と固有筋層との融合を伴う潰瘍には著明なひだ集中像を認め,潰瘍が大きくて深いほどひだ集中像は著明に現れると述べている.ひだ集中は潰瘍のほか潰瘍瘢痕を伴う胃癌などの腫瘍性病変でも認められるため,鑑別診断が必要となる.本邦では,胃体部大彎を中心に既存のひだの数本が1点または2点以上の中心点に向かって走行している状態をひだ集中(Fig. 1,2),もともとひだのない領域にみられる集中像を粘膜集中像(Fig. 3,)と分けて呼ぶ場合がある.ひだ集中の成因については,粘膜筋板と潰瘍底の瘢痕収縮によると考えられており,潰瘍の新旧や治癒傾向の判定,さらに良・悪性の鑑別にも利用される1)

参考文献

1)浜田勉,近藤健司.胃潰瘍.中澤三郎(編).日本消化性潰瘍学.医科学出版社,pp 626-647, 1995
2)細井董三,西澤護,岡田利邦,他.早期胃癌治療のための精密検査─浸潤範囲を読む.胃と腸 28:73-86, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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