文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
文献概要
定義
インゼル(insel)はドイツ語で島という意味で,0-IIc型未分化型癌の陥凹内に島状に取り残された粘膜のことを称する(まれに分化型癌でもみられる)1).インゼルの表面に癌組織が認められる場合もあるが,実際には癌の浸潤が少ないことから,日本語では“島状粘膜残存”,“聖域”と呼ばれてきた.ただし,正常粘膜の取り残しなのか,再生粘膜なのかは文献上でも明らかでない.インゼルについて欧米の論文での記述はまれで,早期胃癌の診断学を完成させた本邦で生まれた用語である2).
インゼル(insel)はドイツ語で島という意味で,0-IIc型未分化型癌の陥凹内に島状に取り残された粘膜のことを称する(まれに分化型癌でもみられる)1).インゼルの表面に癌組織が認められる場合もあるが,実際には癌の浸潤が少ないことから,日本語では“島状粘膜残存”,“聖域”と呼ばれてきた.ただし,正常粘膜の取り残しなのか,再生粘膜なのかは文献上でも明らかでない.インゼルについて欧米の論文での記述はまれで,早期胃癌の診断学を完成させた本邦で生まれた用語である2).
参考文献
1)小山恒男(編).早期胃癌 内視鏡診断のModalityとStrategy.日本メディカルセンター,pp 7-8, 2011
2)牛尾恭輔.用語の使い方・使われ方─島状粘膜残存.胃と腸 29:1161, 1994
3)阿部清一郎,小田一郎,眞一まこも,他.通常・色素内視鏡による早期胃癌深達度診断─組織型別検討を中心に.胃と腸 49:47-54, 2014
掲載誌情報