icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

画像所見〔胃〕

噴門開大(食道裂孔ヘルニアを含む)(hiatal hernia)

著者: 金坂卓1 上堂文也1

所属機関: 1大阪国際がんセンター消化管内科

ページ範囲:P.588 - P.588

文献概要

定義
 食道裂孔ヘルニアは胃の一部が食道裂孔に嵌入した状態であり,横隔膜ヘルニアの中では最も頻度が高い.内視鏡検査では食道胃接合部と食道裂孔の位置のずれを同定することで診断できる.食道裂孔ヘルニアはX線造影検査における形態の違いから滑脱型,傍食道型,混合型に分類される.
 噴門開大は食道裂孔の大きさを反映し,胃内で反転観察したときに食道裂孔部にみられるスコープ周囲の間隙として認識される.Hillら1)は,噴門開大の程度を内視鏡的に評価したGEFV(gastroesophageal flap valve)の分類を提唱している(Fig. 1).GEFV分類のGrade III以上ではほとんどの例で食道裂孔ヘルニアを合併しており,このGradeが高いほど逆流性食道炎を合併しやすいと考えられる.

参考文献

1)Hill LD, Kozarek RA, Kraemer SJ, et al. The gastroesophageal flap valve:in vitro and in vivo observations. Gastrointest Endosc 44:541-547, 1996
2)Hoshihara Y, Kogure T. What are longitudinal vessels? Endoscopic observation and clinical significance of longitudinal vessels in the lower esophagus. Esophagus 3:145-150, 2006
3)Sharma P, Dent J, Armstrong D, et al. The development and validation of an endoscopic grading system for Barrett's esophagus:the Prague C & M criteria. Gastroenterology 131:1392-1399, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら