文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
噴門開大(食道裂孔ヘルニアを含む)(hiatal hernia)
著者: 金坂卓1 上堂文也1
所属機関: 1大阪国際がんセンター消化管内科
ページ範囲:P.588 - P.588
文献概要
食道裂孔ヘルニアは胃の一部が食道裂孔に嵌入した状態であり,横隔膜ヘルニアの中では最も頻度が高い.内視鏡検査では食道胃接合部と食道裂孔の位置のずれを同定することで診断できる.食道裂孔ヘルニアはX線造影検査における形態の違いから滑脱型,傍食道型,混合型に分類される.
噴門開大は食道裂孔の大きさを反映し,胃内で反転観察したときに食道裂孔部にみられるスコープ周囲の間隙として認識される.Hillら1)は,噴門開大の程度を内視鏡的に評価したGEFV(gastroesophageal flap valve)の分類を提唱している(Fig. 1).GEFV分類のGrade III以上ではほとんどの例で食道裂孔ヘルニアを合併しており,このGradeが高いほど逆流性食道炎を合併しやすいと考えられる.
参考文献
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