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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

画像所見〔胃〕

腺境界(atrophic border)

著者: 吉田将雄1 小野裕之1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科

ページ範囲:P.590 - P.590

文献概要

定義
 解剖学的には固有胃腺は口側から噴門腺,胃底腺,幽門腺の領域に分類されるため,腺境界は噴門腺─胃底腺境界と胃底腺─幽門腺境界の2つが存在するが,一般に腺境界とは後者のことを指す.H. pylori感染をはじめとする慢性炎症により胃底腺の減少・消失が起こり,胃底腺粘膜が幽門腺類似の腺管へ変化し(偽幽門腺化生),境界が変動していくため萎縮境界とも呼ばれる.具体的には腺境界は前庭部から胃体部小彎側を中心に弧を描きながら口側に移動し,噴門を越えた後に,胃体部大彎側へ移動する.萎縮境界には非萎縮粘膜と萎縮粘膜が混在するため,厳密には萎縮のない胃底腺領域の肛門側限界線(F線),胃底腺が巣状に残存する中間帯,中間帯の肛門側限界線(f線)から成り,線というよりは幅をもって帯状に存在する1)

参考文献

1)中村恭一.胃癌の構造,第3版.医学書院,2005
2)Kimura K, Takemoto T. An Endoscopic recognition of the atrophic border and its significance in chronic gastritis. Endoscopy 1:87-97, 1969
3)上堂文也,平沢龍登,酒井範子,他.腺領域からみた良性病変の診断(胃炎,潰瘍,ポリープ,カルチノイド)─内視鏡的コンゴーレッド法による成績を中心に.胃と腸 32:1581-1589, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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