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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕

クッションサイン(cushion sign)

著者: 細谷和也1 小野裕之1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科

ページ範囲:P.594 - P.594

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定義
 粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)は“粘膜よりも下方に存在する壁内病変により粘膜が挙上されて生じた隆起”である1).鑑別にあたり,まず通常観察で部位や腫瘍径,個数,色調,表面性状を観察する.続いて鉗子で押した際の変形・可動性により粘膜内病変の硬さを類推する.脂肪腫のような軟らかい病変であれば,鉗子で圧迫した際に,表面が下降し,圧迫を解除すると速やかに元の形態に戻る.これを“cushion sign”(Fig. 1,2)あるいは“pillow sign”という2).また,空気量や蠕動など外力による変形(squeeze sign)や,粘膜を生検鉗子で把持し,引っ張り上げた際にテントを張ったような形態(tenting sign)がみられれば,同様に軟らかな病変が予想される.

参考文献

1)日本消化器内視鏡学会用語委員会(編).消化器内視鏡用語集,3版.医学書院,pp 86-87, 2011
2)Mayo CW, Pagtalunan RJG, Brown DJ. Lipoma of the alimentary tract. Surgery 53:598-603, 1963
3)大谷吉秀,小澤壯治,古川俊治,他.消化管粘膜下腫瘍の診断戦略.胃と腸 39:467-474, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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