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増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕
胃底腺ポリポーシス(fundic gland polyposis)
著者: 春間賢1 鎌田智有2
所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター総合内科2 2川崎医科大学総合医療センター健康管理学
ページ範囲:P.597 - P.597
文献購入ページに移動胃底腺の過形成と囊胞状拡張から成る胃底腺ポリープが,胃体部から胃穹窿部に多発するものを胃底腺ポリポーシスと呼び,個数には定義はなく,もともとは家族性大腸腺腫症に合併した胃病変として報告された1).その後,家族性大腸腺腫症に合併しない胃底腺ポリポーシスも指摘され2),胃底腺ポリープは,Helicobacter pylori(H. pylori)感染陰性の胃に発生することが多く3),H. pylori感染陰性者が増加しているため,最近では,家族性大腸腺腫症に合併しない胃底腺ポリポーシスの頻度が増えている.さらに,最近,プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor ; PPI)の長期投与で胃底腺ポリープが新たに発生し,既存のポリープが増加・増大し,胃底腺ポリポージスの形態を示すことがある4).PPIによるものは,薬剤の減量,H2受容体拮抗薬への変更,あるいは中止で改善する.
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