icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕

耳介様周堤(リンパ腫)(auriculate ulcer mound)

著者: 中村昌太郎1 松本主之1

所属機関: 1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野

ページ範囲:P.599 - P.599

文献購入ページに移動
定義
 潰瘍形成を伴う消化管腫瘍において,潰瘍辺縁に認める不整所見のない健常粘膜に覆われた幅の狭い隆起部分を耳介様周堤と呼称している.その形状が耳介の耳輪に類似していることに由来する.
 一般に,耳介様周堤は分化型癌ではみられず,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL)などの高悪性度リンパ腫に特徴的な所見とされている(Fig. 1 1)〜3).しかし,低分化腺癌やリンパ球浸潤胃癌を含む未分化型癌でも,しばしば耳介様周堤を呈するので注意が必要である.このほか,腸管Behçet病または単純性潰瘍,サイトメガロウイルス感染性腸炎などでみられる打ち抜き様潰瘍でも,同様の周堤が観察されることがあるが,耳介様周堤の名称は,通常は腫瘍性病変に限定して使用される.

参考文献

1)中村昌太郎,松本主之.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL).胃と腸 47:750, 2012
2)中村昌太郎,松本主之.消化管悪性リンパ腫の診断と治療.Gastroenterol Endosc 56:3599-3606, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?