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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

画像所見〔胃〕

良性サイクル(benign cycle)

著者: 小澤俊文1

所属機関: 1佐藤病院消化器内科

ページ範囲:P.611 - P.611

文献概要

定義
 胃潰瘍は臨床経過により急性潰瘍と慢性潰瘍とに分類される.良性サイクルとは,後者の慢性潰瘍で観察される,治癒と再発を繰り返す病態を指す.急性潰瘍がストレスや薬剤など明らかな原因と考えられる要因を除去することで治癒に向かい,再発や難治化を来さないことと対照的である.病期的には,活動期,治癒過程期,瘢痕期に分類される1)(Table 1).Helicobacter pylori感染などの原因が除去されないと,A1→H1→S1→A2→H2→S2のように潰瘍が再発と治癒を繰り返す(Fig. 1〜6),すなわち良性サイクルが観察されることとなる2).再発性潰瘍では活動期でも皺襞集中を伴う(Fig. 4).

参考文献

1)崎田隆夫,福富久之.内視鏡診断.吉利和(編).胃・十二指腸潰瘍のすべて.南江堂,pp 197-214, 1971
2)磨伊正義,望月福治.線状潰瘍および多発性潰瘍.胃疾患のX線・内視鏡診断と臨床病理.医学書院,pp 208-210, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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