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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕

悪性サイクル(malignant cycle)

著者: 赤松泰次1

所属機関: 1長野県立須坂病院内視鏡センター

ページ範囲:P.612 - P.612

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定義
 シェーマ1)に示すように,良性の消化性潰瘍は活動期(A1,A2),治癒過程期(H1,H2),瘢痕期(S1,S2)と変化し,再発すると瘢痕期から再び活動期に戻ることを“良性サイクル”と言う(崎田・三輪分類)1).また,陥凹型早期胃癌(0-IIc病変)の中に形成される潰瘍も同じような経過を示し,これを“悪性サイクル”と呼ぶ.すなわち,0-IIc病変内に潰瘍を形成すると,0-III病変(活動期に相当)または0-III+IIc病変(Fig. 1)ないし0-IIc+III病変(治癒過程期に相当)となり,潰瘍が瘢痕化すると0-IIc+Ul scar(瘢痕期に相当,Fig. 2,3)に肉眼型が変化する.さらに,潰瘍が再発すると0-III病変ないし0-III+IIc病変に戻る.しかし,胃癌と診断した時点で通常切除されるため,悪性サイクル全体を通して観察する機会は少ない.

参考文献

1)崎田隆夫,福富久之.VIII 内視鏡診断.胃潰瘍の診断.吉利和(編).内科シリーズNo.2 胃・十二指腸潰瘍のすべて.南江堂,pp 197-208, 1971

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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