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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

画像所見〔十二指腸〕

胃上皮化生(gastric metaplasia)

著者: 金坂卓1 上堂文也1

所属機関: 1大阪国際がんセンター消化管内科

ページ範囲:P.618 - P.618

文献概要

定義
 十二指腸に胃上皮化生が存在することは,1923年にNicholson1)によって初めて報告された.十二指腸粘膜に胃底腺組織と胃型被覆上皮の両者を有するものが異所性胃粘膜,これに対して胃底腺組織を伴わず胃型被覆上皮のみを有するものが胃上皮化生と定義されることが多い.
 胃上皮化生は異所性胃粘膜と比較して萎縮性胃炎を合併する頻度が高く〔100%(16/16)vs. 16%(5/32)〕,Helicobacter pylori(H. pylori)陽性率も高い〔92%(12/13)vs. 9%(2/22)〕2).また,十二指腸潰瘍の生検組織の86%(38/44)に胃上皮化生が存在し,その大半にH. pyloriが存在することから,胃上皮化生へのH. pylori感染を十二指腸潰瘍の一因とする報告もある3)

参考文献

1)Nicholson GW. Heteromorphoses(metaplasia)of the alimentary tract. J Path Bact 26:399-417, 1923
2)中井久雄,小泉和三郎,西大寺克禮.十二指腸異所性胃粘膜の臨床病理学的検討─背景胃粘膜とHelicobacter pyloriの関連性.Gastroenterological Endoscopy 37:529-539, 1995
3)白井孝之.十二指腸潰瘍における胃上皮化生とHelicobacter pyloriの意義.Gastroenterol Endosc 33:2177-2182, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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