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増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕
炎症性ポリープ(inflammatory polyp)
著者: 清水誠治1
所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科
ページ範囲:P.626 - P.627
文献購入ページに移動炎症性ポリープは炎症によって形成される粘膜の隆起であり,炎症を背景に形成されるポリープと炎症自体が構成要素であるポリープがある.
前者は狭義の炎症性ポリープである.多発すれば炎症性ポリポーシスと呼ばれるが,数についての規定はない.発生機序から,①粘膜固有層や粘膜下層の炎症によって形成される隆起,②多発潰瘍の周囲,介在粘膜が相対的に隆起(厳密には偽ポリープ),③潰瘍修復の際に炎症性肉芽が隆起,④炎症に伴う線維化により狭窄した腸管で相対的に粘膜がたるんで形成される隆起,⑤潰瘍治癒過程で過剰に再生した粘膜によって形成される紐状あるいは複雑な形状の隆起に分けられる1).炎症性ポリープ(ポリポーシス)を形成する疾患としては潰瘍性大腸炎とCrohn病が代表的であるが,大腸憩室疾患でもみられる.感染性腸炎では主に腸結核とアメーバ性大腸炎であるが,腸結核にみられる炎症性ポリープは萎縮瘢痕帯を伴い小型半球状である.
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