文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
文献概要
定義
通常内視鏡観察時に,十二指腸あるいは小腸において,絨毛の外形に一致した白色化により粘膜面全体が均一に白色調を呈するものを白色絨毛,散在性に小さく明瞭な白点を示すものを撒布性白点(白斑)と呼称する.いずれの白色調変化も腸に吸収された食事性脂肪の転送障害あるいは遅延を反映しており,白色絨毛は吸収された脂肪の中心乳糜管への転送障害/遅延により脂肪が吸収上皮細胞内や粘膜固有層内に分布していることを,撒布性白点は中心乳糜管から中枢側への転送障害/遅延による中心乳糜管の拡張を反映しているとされる1).
白色絨毛と撒布性白点は必ずしも病的所見ではなく,健常者でも観察されることがある.食事性脂肪摂取量が多い場合や,胃運動能が低下している場合には,脂肪の吸収・転送が遅延する結果みられる.また,脂肪摂取から内視鏡検査までの時間が短い場合にも観察される.
通常内視鏡観察時に,十二指腸あるいは小腸において,絨毛の外形に一致した白色化により粘膜面全体が均一に白色調を呈するものを白色絨毛,散在性に小さく明瞭な白点を示すものを撒布性白点(白斑)と呼称する.いずれの白色調変化も腸に吸収された食事性脂肪の転送障害あるいは遅延を反映しており,白色絨毛は吸収された脂肪の中心乳糜管への転送障害/遅延により脂肪が吸収上皮細胞内や粘膜固有層内に分布していることを,撒布性白点は中心乳糜管から中枢側への転送障害/遅延による中心乳糜管の拡張を反映しているとされる1).
白色絨毛と撒布性白点は必ずしも病的所見ではなく,健常者でも観察されることがある.食事性脂肪摂取量が多い場合や,胃運動能が低下している場合には,脂肪の吸収・転送が遅延する結果みられる.また,脂肪摂取から内視鏡検査までの時間が短い場合にも観察される.
参考文献
1)檜沢一興,飯田三雄.白色絨毛.「胃と腸」編集委員会(編).胃と腸用語事典.医学書院,p 164, 2002
2)Aoyagi K, Iida M, Yao T, et al. Characteristic endoscopic features of intestinal lymphangiectasia:correlation with histological findings. Hepatogastroenterology 44:133-138, 1997
3)長末智寛,蔵原晃一,八板弘樹,他.電子顕微鏡所見とPCR法で確診したWhipple病の1例.日消誌 113:1894-1900, 2016
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