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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

画像所見〔腸〕

鳥の嘴像(bird's beak sign)

著者: 進藤洋一郎1 鶴田修1

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門

ページ範囲:P.646 - P.646

文献概要

定義
 S状結腸軸捻症は,S状結腸が腸間膜の長軸を中心として腸間膜根部で捻転したもので,360°以上捻転すると,S状結腸内腔は口側,肛門側共に閉塞し,馬蹄形に拡張する.結腸捻転症の中でS状結腸捻転が発生部位としては最多であり,360°の1回転がほとんどである.腹部単純X線像では,馬蹄形に拡張した腸管ガス像が特徴的であり(=coffee bean sign,Fig. 1),立位像では輸入・輸出両脚にそれぞれ鏡面像をみることもある.
 注腸X線造影検査を行うと,注入したバリウムにより直腸は拡張するが,捻転を起こしている部より口側へはバリウムは進まない.内腔はこの盲端部に向かって先細り様に狭窄する.狭窄部より肛門側の直腸は拡張しており,この部が鳥の胴体のように見え,先細りの先端が嘴状に見える.そのため,狭窄部があたかも鳥の嘴のように見えることから,bird's beak sign(鳥の嘴像)と言われる(Fig. 2).

参考文献

1)常岡健二,内田隆也.現代外科学体系.3巻B.中山書店,pp 188-191, 1972
2)迫田晃郎,山口淳正,田畑峯雄(編).腹部救急疾患の臨床.医学図書出版,pp 145-149, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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