文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
文献概要
定義
S状結腸軸捻症は,S状結腸が腸間膜の長軸を中心として腸間膜根部で捻転したもので,360°以上捻転すると,S状結腸内腔は口側,肛門側共に閉塞し,馬蹄形に拡張する.結腸捻転症の中でS状結腸捻転が発生部位としては最多であり,360°の1回転がほとんどである.腹部単純X線像では,馬蹄形に拡張した腸管ガス像が特徴的であり(=coffee bean sign,Fig. 1),立位像では輸入・輸出両脚にそれぞれ鏡面像をみることもある.
注腸X線造影検査を行うと,注入したバリウムにより直腸は拡張するが,捻転を起こしている部より口側へはバリウムは進まない.内腔はこの盲端部に向かって先細り様に狭窄する.狭窄部より肛門側の直腸は拡張しており,この部が鳥の胴体のように見え,先細りの先端が嘴状に見える.そのため,狭窄部があたかも鳥の嘴のように見えることから,bird's beak sign(鳥の嘴像)と言われる(Fig. 2).
S状結腸軸捻症は,S状結腸が腸間膜の長軸を中心として腸間膜根部で捻転したもので,360°以上捻転すると,S状結腸内腔は口側,肛門側共に閉塞し,馬蹄形に拡張する.結腸捻転症の中でS状結腸捻転が発生部位としては最多であり,360°の1回転がほとんどである.腹部単純X線像では,馬蹄形に拡張した腸管ガス像が特徴的であり(=coffee bean sign,Fig. 1),立位像では輸入・輸出両脚にそれぞれ鏡面像をみることもある.
注腸X線造影検査を行うと,注入したバリウムにより直腸は拡張するが,捻転を起こしている部より口側へはバリウムは進まない.内腔はこの盲端部に向かって先細り様に狭窄する.狭窄部より肛門側の直腸は拡張しており,この部が鳥の胴体のように見え,先細りの先端が嘴状に見える.そのため,狭窄部があたかも鳥の嘴のように見えることから,bird's beak sign(鳥の嘴像)と言われる(Fig. 2).
参考文献
1)常岡健二,内田隆也.現代外科学体系.3巻B.中山書店,pp 188-191, 1972
2)迫田晃郎,山口淳正,田畑峯雄(編).腹部救急疾患の臨床.医学図書出版,pp 145-149, 2005
掲載誌情報