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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕

粘膜橋,粘膜紐,polypoid mucosal tag(mucosal bridge, mucosal tag)

著者: 福永秀平1 光山慶一2

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 2久留米大学病院炎症性腸疾患センター

ページ範囲:P.648 - P.648

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定義
 粘膜橋(mucosal bridge)とは消化管粘膜面の特異な形態に対する呼称であり,その病態は食道,胃,十二指腸,大腸にみることができる.大腸での報告が最も多く,形態上の特徴は消化管粘膜面から管腔方向にアーチ状に形成される橋梁構造であり,その橋桁に相当するband状の部分は浮腫状,不整形,平滑など種々の様相を呈するが,全周にわたって粘膜で覆われている.消化管内腔方向の面は本来の粘膜で,消化管壁方向の面は再生粘膜で覆われていることが多い(Fig. 1a,b)1).粘膜紐(mucosal tag)は,下掘れ潰瘍辺縁の粘膜がポリープ状に垂れ下がったものを指し,樹枝状,珊瑚状,ブドウの房状,鍾乳石状を呈するようになると粘膜橋に極めて近い状態となる(Fig. 1c)2)

参考文献

1)牛尾恭輔,笹川道三,市川平三郎,他.集簇性“mucosal bridge”を示した潰瘍性大腸炎の1症例.胃と腸 9:1283-1290, 1974
2)柴田興彦,平岡善憲,内田雄三.大腸mucosal bridge.別冊日本臨牀 領域別症候群6.日本臨牀社,pp 275-278, 1994
3)佐野明江,伊藤康文,早崎直行.Mucosal bridge上に早期大腸癌を認め内視鏡的に切除した1例.Gastroenterol Endosc 54:39-43, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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