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増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕
内反(内翻),翻転(反転)(inversion)
著者: 小林広幸1 渕上忠彦2
所属機関: 1福岡山王病院消化器内科 2松山赤十字病院胃腸センター
ページ範囲:P.649 - P.649
文献購入ページに移動本邦の医学辞書には消化管に関連した内反・翻転に該当する用語の記載は乏しく,inversion(ステッドマン医学大辞典 第6版)で調べても,“内方,逆方向など既存の向きと反対の方向に向きを変えること”という漠然とした和訳のみで,国語辞典(大辞林 第3版)では“ひっくり返すこと”と記載されている.したがって,これを消化管(腸)の画像所見(疾患)に当てはめてみると(筆者の推測であるが),“その組織が本来あるべき部位から何らかの要因で腸管内に向きを変えている病態”と言えよう.これに該当する腸の疾患としては,Meckel憩室内翻,大腸憩室反転,虫垂翻転(重積)などが挙げられる.なお,これらの疾患では内反と翻転以外にも,同義語として内翻,反転という用語が少なからず用いられているが,各用語の厳密な区別はなされていない.
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