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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕

内反(内翻),翻転(反転)(inversion)

著者: 小林広幸1 渕上忠彦2

所属機関: 1福岡山王病院消化器内科 2松山赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.649 - P.649

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定義
 本邦の医学辞書には消化管に関連した内反・翻転に該当する用語の記載は乏しく,inversion(ステッドマン医学大辞典 第6版)で調べても,“内方,逆方向など既存の向きと反対の方向に向きを変えること”という漠然とした和訳のみで,国語辞典(大辞林 第3版)では“ひっくり返すこと”と記載されている.したがって,これを消化管(腸)の画像所見(疾患)に当てはめてみると(筆者の推測であるが),“その組織が本来あるべき部位から何らかの要因で腸管内に向きを変えている病態”と言えよう.これに該当する腸の疾患としては,Meckel憩室内翻,大腸憩室反転,虫垂翻転(重積)などが挙げられる.なお,これらの疾患では内反と翻転以外にも,同義語として内翻,反転という用語が少なからず用いられているが,各用語の厳密な区別はなされていない.

参考文献

1)飯塚佳彦,渕上忠彦,堺勇二,他.Meckel憩室内翻症の1例.胃と腸 34:1078-1081, 1999
2)山本均,森瀬公友,古澤敦,他.反転大腸憩室の2例.Gastroenterol Endosc 35:567-570, 1993
3)明石諭,山田行重,杉森志穂,他.早期虫垂癌による不完全型虫垂重積症の1例.日消外会誌 45:664-671, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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