文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
文献概要
定義
“transverse ridging”は横に走るあぜ道を意味し,消化管画像所見においては腸管の長軸方向に垂直に走行するひだ所見を指す.Schwartzら1)が虚血性大腸病変でみられるX線造影所見のひとつとして報告したのが最初であり,主に注腸X線造影検査の画像所見として用いられる.
正常の大腸では十分な空気量で伸展させるとhaustra以外の皺襞は不明瞭となるため,本所見を認める場合には大腸壁の伸展不良が存在することが示唆される.成因としては腸管壁の浮腫性変化が主体と考えられているが,虚血性大腸炎の急性期にみられる拇指圧痕像とは異なり,浮腫に加えて線維化などによる区域性の伸展不良を伴うことにより,本所見が明瞭となる.
“transverse ridging”は横に走るあぜ道を意味し,消化管画像所見においては腸管の長軸方向に垂直に走行するひだ所見を指す.Schwartzら1)が虚血性大腸病変でみられるX線造影所見のひとつとして報告したのが最初であり,主に注腸X線造影検査の画像所見として用いられる.
正常の大腸では十分な空気量で伸展させるとhaustra以外の皺襞は不明瞭となるため,本所見を認める場合には大腸壁の伸展不良が存在することが示唆される.成因としては腸管壁の浮腫性変化が主体と考えられているが,虚血性大腸炎の急性期にみられる拇指圧痕像とは異なり,浮腫に加えて線維化などによる区域性の伸展不良を伴うことにより,本所見が明瞭となる.
参考文献
1)Schwartz S, Boley S, Lash J, et al. Roentgenologic aspects of reversible vascular occlusion of the colon and its relationship to ulcerative colitis. Radiology 80:625-635, 1963
2)貫陽一郎,江﨑幹宏,山口敢,他.下腸間膜静脈閉塞による虚血性大腸炎の1例.胃と腸 50:1330-1336, 2015
3)Iida M, Matsui T, Fuchigami T, et al. Ischemic colitis:serial changes in double-contrast barium enema examination. Radiology 159:337-341, 1986
4)松本主之,飯田三雄.画像所見・腸Transverse ridging.八尾恒良(監).「胃と腸」編集委員会(編).胃と腸用語事典.医学書院,p 133, 2002
掲載誌情報