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増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕
鋸歯状(serrated)
著者: 田中義人1 山野泰穂2
所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター 2札幌医科大学医学部消化器内科学講座
ページ範囲:P.652 - P.652
文献購入ページに移動鋸歯状とは“のこぎりの歯”状の形態を指し,大腸において腺腔内にこのような構造を有する病変は鋸歯状病変と総称され,2010年のWHO分類ではHP(hyperplastic polyp),SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp,Fig. 1),TSA(traditional serrated adenoma,Fig. 2)に大別されている.HPは長らく悪性化しえない非腫瘍性ポリープとして認識されていたが,近年の研究により,現在ではHPの一部はSSA/PもしくはTSAの初期病変と考えられており,さらにそれらが種々の遺伝子異常を背景として発癌するserrated pathwayが提唱された.特にSSA/PはBRAF変異,CIMP(CpG island methylator phenotype)といった遺伝子異常を高頻度に認め,孤発性MSI(microsatellite instability)陽性大腸癌の前駆病変として大変注目されている.
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