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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

画像所見〔腸〕

収縮・攣縮(contraction, spasm)

著者: 佐野村誠1 柿本一城2

所属機関: 1北摂総合病院消化器内科 2大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.655 - P.655

文献概要

定義
 収縮(contraction)とは,生理的,機能的な消化管の内径の減少であり,筋層の運動である蠕動運動や括約筋が閉じるために生じ,筋収縮と関連している.送気や圧力をかけることにより解除される1).大腸には7か所の生理的収縮を認める部位が知られている(シェーマ)2).注腸X線造影検査において,鎮痙剤を前投与した場合には,この生理的収縮はあまりみられないが,鎮痙剤を投与しない場合や,検査時間が長くなり鎮痙剤の効果が消失してしまった場合などに,しばしばみられる3)
 攣縮(spasm)とは,非生理的,機能的な消化管の内腔の狭小化,急激な不随意の収縮であり,痛みと運動の歪みを伴う.攣縮状態のX線所見としては,小腸では通過時間の短縮,運動亢進所見としての粉雪像,分節像などがみられる.大腸では緊張亢進を反映するハウストラの不規則,痙攣性収縮による縦走レリーフ像,紐状陰影などがみられる1)

参考文献

1)斎藤裕輔,高後裕.収縮,攣縮.八尾恒良(監).胃と腸用語辞典.医学書院,p 115, 2002
2)Templeton AW. Colon sphincters simulating organic disease. Radiology 75:237-241, 1960
3)腰塚慎二,奥田圭二.生理的収縮.佐原力三郎,野津聡(監).手にとるようにわかる注腸X線検査─基本手技編,増補版.ベクトル・コア,p 15, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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