文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
収縮・攣縮(contraction, spasm)
著者: 佐野村誠1 柿本一城2
所属機関: 1北摂総合病院消化器内科 2大阪医科大学第2内科
ページ範囲:P.655 - P.655
文献概要
収縮(contraction)とは,生理的,機能的な消化管の内径の減少であり,筋層の運動である蠕動運動や括約筋が閉じるために生じ,筋収縮と関連している.送気や圧力をかけることにより解除される1).大腸には7か所の生理的収縮を認める部位が知られている(シェーマ)2).注腸X線造影検査において,鎮痙剤を前投与した場合には,この生理的収縮はあまりみられないが,鎮痙剤を投与しない場合や,検査時間が長くなり鎮痙剤の効果が消失してしまった場合などに,しばしばみられる3).
攣縮(spasm)とは,非生理的,機能的な消化管の内腔の狭小化,急激な不随意の収縮であり,痛みと運動の歪みを伴う.攣縮状態のX線所見としては,小腸では通過時間の短縮,運動亢進所見としての粉雪像,分節像などがみられる.大腸では緊張亢進を反映するハウストラの不規則,痙攣性収縮による縦走レリーフ像,紐状陰影などがみられる1).
参考文献
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