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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

画像所見〔腸〕

腸間膜付着側・付着対側(mesenteric side, antimesenteric side)

著者: 斉藤裕輔1 稲場勇平1

所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター

ページ範囲:P.658 - P.658

文献概要

定義
 腸間膜(mesentery)は腹部内臓を包み込む往復2葉の腹膜が合わさって生じる膜構造物を指し,狭義には空・回腸の間膜を腸間膜と呼ぶ.その根部〔腸間膜根(root of mesentery)〕は第二腰椎体の左方から右腸骨窩に約15cmの長さを持つ.腸間膜は消化管に出入りする脈管・神経の通路として重要である.
 腸間膜付着側とは,空腸,回腸における小腸係蹄の内側を,付着対側とは小腸係蹄の外側を指す.内視鏡検査時に観察しやすい側がおおよそ腸間膜付着対側,斜向かいとなり見づらい部位が腸間膜付着側である.小腸疾患,特に炎症性疾患を診断する際,この腸間膜付着側・付着対側の概念は極めて重要である1)

参考文献

1)渡辺英伸,味岡洋一,太田玉紀,他.炎症性腸疾患の病理学的鑑別診断─大腸病変を中心に.胃と腸 25:659-682, 1990
2)斉藤裕輔,岡本耕太郎,藤谷幹浩,他.病変の分布・形態からみた全身性疾患─小腸・大腸病変を中心に.胃と腸 38:449-457, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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