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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

画像所見〔腸〕

小黄色斑(small yellowish spot)

著者: 上野義隆1 田中信治1

所属機関: 1広島大学病院内視鏡診療科

ページ範囲:P.660 - P.660

文献概要

定義
 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)の活動期内視鏡所見のひとつで,粘膜上の微細な黄味を帯びた点状斑と定義されている.主に軽症のUCの活動部,UCの活動部の境界付近,活動部位の口側に正常粘膜を介して島状に認められる.1960年代直達鏡での観察が行われていた時代に,田島1)により本疾患の初期像として見い出され,報告,命名された.当時は粟粒膿腫あるいは粟粒膿瘍(miliary abscess)とも称されている.厚生労働省研究班の活動期内視鏡所見の軽度に分類される小黄色点と同義である.微小な黄白色の点が密に散在性に存在するが,背景粘膜が発赤している場合,その発見は容易である(Fig. 1〜4).UCの活動性病変の最小単位と考えられている.現在の電子スコープでは黄色ではなく白色点として観察されるが,慣習的に小黄色斑の名称が使用されている.

参考文献

1)田島強.潰瘍性大腸炎.内海胖,丹羽寛文(編).消化管内視鏡診断学大系,第10巻 大腸.医学書院,pp 149-182, 1970
2)Fujiya M, Saitoh Y, Nomura M, et al. Minute findings by magnifying colonoscopy are useful for the evaluation of ulcerative colitis. Gastrointest Endosc 56:535-542, 2002
3)上野義隆,田中信治,佐上晋太郎,他.潰瘍性大腸炎における拡大内視鏡診断の有用性と問題点.成人病と生活習慣病 44:273-279, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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