icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕

ダンベル型(腫瘤)〔dumbbell type(tumor)〕

著者: 蔵原晃一1 大城由美2

所属機関: 1松山赤十字病院胃腸センター 2松山赤十字病院病理診断科

ページ範囲:P.663 - P.663

文献購入ページに移動
定義
 ダンベル(dumbbell)はウエイトトレーニング器具の一種である.dumbは“音が出ない”,bellは“教会の釣鐘”を意味し,中世欧州で,音が出ない状態にした教会の釣鐘をトレーニングに用いていた名残である.現在ではバーの両端に同じ大きさの重しがついた器具を指す.ダンベル型腫瘤とは,消化管の場合,管腔内と管腔外の両方向に同程度発育した腫瘤を言い1),GIST(gastrointestinal stromal tumor)の一型がそれに該当する.
 GISTは,固有筋層内に存在するCajal介在細胞様の分化を呈し固有筋層に関連して発生するため,管腔内には粘膜下腫瘍(SMT)像を形成する2)(Fig. 1a)3).その発育形式から,管内型(intra-luminal),管外型(extra-luminal),壁内型(intra-mural)と混合型(管内管外型:dumbbell)の4型に分類されるが,胃では管内型が,小腸では管外型ないし混合型が多いとされる.混合型は固有筋層から粘膜下層側と漿膜下層側の双方向に同程度発育した場合を言い,ダンベル型を呈する.

参考文献

1)渕上忠彦.ダンベル型(像).「胃と腸」編集委員会(編).胃と腸用語事典.医学書院,p 116, 2002
2)大重要人,岩下明德,原岡誠司,他.消化管GISTの診断と悪性度の評価─組織分類と予後からみて.胃と腸 43:143-155, 2008
3)蔵原晃一,川崎啓祐,吉野修郎,他.出血性小腸疾患に対する診断手技.小腸X線造影検査について.胃と腸 45:343-354, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?