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増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕
ダンベル型(腫瘤)〔dumbbell type(tumor)〕
著者: 蔵原晃一1 大城由美2
所属機関: 1松山赤十字病院胃腸センター 2松山赤十字病院病理診断科
ページ範囲:P.663 - P.663
文献購入ページに移動ダンベル(dumbbell)はウエイトトレーニング器具の一種である.dumbは“音が出ない”,bellは“教会の釣鐘”を意味し,中世欧州で,音が出ない状態にした教会の釣鐘をトレーニングに用いていた名残である.現在ではバーの両端に同じ大きさの重しがついた器具を指す.ダンベル型腫瘤とは,消化管の場合,管腔内と管腔外の両方向に同程度発育した腫瘤を言い1),GIST(gastrointestinal stromal tumor)の一型がそれに該当する.
GISTは,固有筋層内に存在するCajal介在細胞様の分化を呈し固有筋層に関連して発生するため,管腔内には粘膜下腫瘍(SMT)像を形成する2)(Fig. 1a)3).その発育形式から,管内型(intra-luminal),管外型(extra-luminal),壁内型(intra-mural)と混合型(管内管外型:dumbbell)の4型に分類されるが,胃では管内型が,小腸では管外型ないし混合型が多いとされる.混合型は固有筋層から粘膜下層側と漿膜下層側の双方向に同程度発育した場合を言い,ダンベル型を呈する.
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