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増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕
大腸メラノーシス(melanosis coli)
著者: 野村昌史1 大森優子2
所属機関: 1さっぽろ大通り内視鏡クリニック 2手稲渓仁会病院病理診断科
ページ範囲:P.668 - P.668
文献購入ページに移動粘膜固有層内に黄褐色色素顆粒(リポフスチン)を満たしたマクロファージが出現することにより,大腸粘膜が褐色から黒色調を呈した状態で,センナ,大黄,アロエなどのアントラキノン系大腸刺激性下剤を長期間内服することにより生じる.このマクロファージは時に粘膜下層にもみられることがある.
1829年,Cruveilhierが慢性の下痢を訴える患者の大腸が墨汁(チャイニーズ・インク)のようだったと記載したのがはじまりとされ,Virchowは剖検例で同様の症例を経験し,大腸メラノーシスという用語を初めて使用した1).
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