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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔腸〕

腸間膜静脈硬化症(mesenteric phlebosclerosis)

著者: 大津健聖1 平井郁仁2

所属機関: 1戸畑共立病院消化器内科 2福岡大学筑紫病院炎症性腸疾患センター

ページ範囲:P.670 - P.670

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定義
 腸間膜静脈硬化症(mesenteric phlebosclerosis ; MP)は,1993年にIwashitaら1)が新しい疾患概念として提唱した.基本的な病態は,腸壁から腸間膜静脈における石灰化に伴う腸管循環不全による虚血と考えられており,右側結腸を中心に炎症反応を伴わない慢性虚血性変化とされている.近年,MPと漢方薬長期内服との関連性が報告されている.なかでも,漢方薬で頻用される生薬である山梔子は8割以上の症例で内服されており,強い関連が考えられる2).MPを疑う症例には,特に薬剤内服歴などの詳細な病歴聴取が必要である.

参考文献

1)岩下明德,竹村聡,山田豊,他.原因別にみた虚血性腸病変の病理形態.胃と腸 28:927-941, 1993
2)大津健聖,松井敏幸,西村拓,他.漢方薬内服により発症した腸間膜静脈硬化症の臨床経過.日消誌 111:61-68, 2014
3)大津健聖,平井郁仁.腸間膜静脈硬化症.八尾恒良(監).胃と腸アトラスII 下部消化管.医学書院,pp 536-538, 2014
4)池田圭祐,岩下明德,原岡誠司,他.特発性腸間膜静脈硬化症の病理.胃と腸 44:138-152, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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