文献詳細
文献概要
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔全消化管〕
側面変形(lateral deformity)
著者: 入口陽介1 小田丈二1
所属機関: 1東京都がん検診センター消化器内科
ページ範囲:P.672 - P.672
文献購入ページに移動X線造影検査における,辺縁像は平滑な曲線を描くが,適切な空気量で十分に伸展した状態で撮影をすると,病変部における壁の伸展性の差による二重造影側面像が現れる.これを側面変形という(Fig. 1,2).病理組織学的に,癌部の癌細胞量とそれに伴う線維化などの器質的変化が壁の伸展性と関係していると考えられている.撮影する角度を変え再現性を考慮し,最も変形が強い部分を最深部として深達度診断を行う.しかし,側面像だけでなく,正面像による形態的特徴と照合して診断を行うことで,より正確な深達度診断を得ることができる.
牛尾ら1)は,消化管癌の側面変形の型を,無変形,角状変形,弧状変形,台状変形の4つのパターンに分類し,主に大腸の深達度診断に用いた.無変形は粘膜層〜粘膜下層にわずか,角状変形は粘膜下層への中等度浸潤,弧状変形は粘膜下層に高度浸潤〜固有筋層にわずか,台状変形は固有筋層またはそれ以深に浸潤した進行癌と報告1)した(シェーマ1).
参考文献
掲載誌情報