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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

病理

増殖帯(proliferative cell zone, generative zone)

著者: 根本哲生1 土方一範2

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院病理診断科 2東邦大学医療センター大森病院消化器内科

ページ範囲:P.687 - P.687

文献概要

定義
 増殖帯(増殖細胞帯・細胞増殖帯)とは,ある組織内で増殖能を有する細胞が領域性をもって集合している部分を指す.細胞増殖は基本的には機能的に分化しきっていない細胞(広い意味での未分化細胞)に起こると考えられるので,増殖帯は幹細胞および未分化細胞の分布する場とも言える.特に消化管ではその領域が“帯状”に分布していること,腫瘍発生の場と考えられること,分布の変化が病態を考えるうえで重要な情報となることから,増殖帯は消化管病理においては頻用される単語である.
 細胞増殖周期に入っている細胞(G1,S,G2,M期,すなわちG0期以外の細胞)はKi-67(MIB-1)抗体で免疫組織化学的に核が染色される細胞として同定することが可能であり,消化管病理においてはKi-67陽性細胞が分布する領域を増殖帯と見なしている.

参考文献

1)Mils SE(ed). Histology for Pathologists, 4th ed. Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, pp 633-645, 2012
2)岩永敏彦,石村和敬.標準組織学各論,第5版.医学書院,pp 118-119, pp 143-145, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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