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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 病理

parietal cell protrusion / hyperplasia

著者: 向所賢一1 九嶋亮治2

所属機関: 1滋賀医科大学病理学講座分子診断病理学部門 2滋賀医科大学臨床検査医学講座(附属病院病理診断科)

ページ範囲:P.705 - P.705

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定義
 parietal cell protrusion(PCP)は,parietal cell hyperplasia,parietal cell pseudohypertrophyなどとも呼ばれ,胃食道逆流症に対してやNSAIDs投与時の消化性潰瘍予防目的で,プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期投与が行われた症例でよくみられる.しかし,PCPはPPI投与時のみにみられる特異的な所見ではなく,自己免疫性胃炎,胃切除後,Zollinger-Ellison症候群など高ガストリン血症を来した症例にも認められることがある1).PCPが発生する機序は,上昇した血清ガストリンに壁細胞が反応し,主細胞よりも壁細胞の背が高くなるために壁細胞が尖った帽子のようにみえることによる1)

参考文献

1)Stolte M, Bethke B, Rühl G, et al. Omeprazole-induced pseudohypertrophy of gastric parietal cells. Z Gastroenterol 30:134-138, 1992
2)九嶋亮治.プロトンポンプ阻害剤(PPI)と消化管病理.病理と臨 27:902-904, 2009
3)伊藤公訓,木曽まり子,益田和彦,他.プロトンポンプ阻害薬投与に伴う胃粘膜.胃と腸 51:491-496, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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