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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

分類

ロサンゼルス分類(Los Angeles classification)

著者: 久礼里江1 中村真一2

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科 2東京女子医科大学消化器病センター消化器内科

ページ範囲:P.708 - P.709

文献概要

定義
 「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン」1)によると,胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease ; GERD)は胃食道逆流(gastroesophageal reflux ; GER)によりひき起こされる食道粘膜傷害と煩わしい症状のいずれかまたは両者をひき起こす疾患であり,食道粘膜傷害を有する“びらん性GERD”と症状のみを認める“非びらん性GERD”に分類される.
 ロサンゼルス分類は,1994年のロサンゼルスで行われた世界消化器病学会で発表されたびらん性GERDの内視鏡分類である2).従来の分類は病理学的なびらん・潰瘍を定義として使用していたのに対して,ロサンゼルス分類では内視鏡的観察による粘膜傷害(mucosal break)という概念が導入された.mucosal breakとは“より正常にみえる周囲粘膜と明確に区別される白苔ないしは発赤を有する領域”とされ,その程度により重症度がGrade分類された(Table 1,Fig. 1〜10).軽症例の多い本邦ではmucosal breakを伴わないGrade 0というカテゴリーを加えた改訂ロサンゼルス分類3)もある(Grade 0とはGrade NとGrade Mを合わせたもの指す).

参考文献

1)日本消化器病学会(編).胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015,改訂第2版.南江堂,2015
2)Armstrong D, Bennett JR, Blum AL, et al. The endoscopic assessment of esophagitis:a progress report on observer agreement. Gastroenterology 111:85-92, 1996
3)星原芳雄.逆流性食道炎の新しい内視鏡分類(ロサンゼルス分類)の必要性と問題点.消内視鏡 8:1747-1752, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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