文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
分類
ロサンゼルス分類(Los Angeles classification)
著者: 久礼里江1 中村真一2
所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科 2東京女子医科大学消化器病センター消化器内科
ページ範囲:P.708 - P.709
文献概要
「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン」1)によると,胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease ; GERD)は胃食道逆流(gastroesophageal reflux ; GER)によりひき起こされる食道粘膜傷害と煩わしい症状のいずれかまたは両者をひき起こす疾患であり,食道粘膜傷害を有する“びらん性GERD”と症状のみを認める“非びらん性GERD”に分類される.
ロサンゼルス分類は,1994年のロサンゼルスで行われた世界消化器病学会で発表されたびらん性GERDの内視鏡分類である2).従来の分類は病理学的なびらん・潰瘍を定義として使用していたのに対して,ロサンゼルス分類では内視鏡的観察による粘膜傷害(mucosal break)という概念が導入された.mucosal breakとは“より正常にみえる周囲粘膜と明確に区別される白苔ないしは発赤を有する領域”とされ,その程度により重症度がGrade分類された(Table 1,Fig. 1〜10).軽症例の多い本邦ではmucosal breakを伴わないGrade 0というカテゴリーを加えた改訂ロサンゼルス分類3)もある(Grade 0とはGrade NとGrade Mを合わせたもの指す).
参考文献
掲載誌情報