文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
分類
食道静脈瘤の所見(L,F,C,RC,BS,MF)(endoscopic findings of esophageal varices)
著者: 小原勝敏1
所属機関: 1福島県立医科大学消化器内視鏡先端医療支援講座
ページ範囲:P.714 - P.715
文献概要
持続的な門脈圧亢進状態に伴い,生理的に存在する門脈─大循環系交通枝は径が拡大し,門脈から大循環への血流ルートとしての役割を担うようになる.食道静脈瘤はこの門脈─大循環側副血行路の一部であり,食道の粘膜下層を中心に静脈が腫瘤状に拡張したものである.食道静脈瘤の基礎疾患は,肝硬変,特発性門脈圧亢進症,肝外門脈閉塞症,Budd-Chiari症候群などであるが,90%以上は肝硬変が占める.食道静脈瘤出血は基礎疾患ゆえに致命的となることもあり,止血できても二次性肝不全により死亡することも多い.ゆえに,食道静脈瘤所見から出血のリスクを検証し,内視鏡治療によって出血や再出血を未然に防止することが重要である.
参考文献
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