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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017

分類

シドニー分類(Sydney system)

著者: 加藤元嗣1

所属機関: 1国立病院機構函館病院

ページ範囲:P.719 - P.719

文献概要

定義
 1990年にオーストラリアのシドニーで開催された世界消化器病学会において,欧米6か国の研究者が中心となり,新たな胃炎分類としてSydney system(シドニー分類)が提唱された(Fig. 1)1)〜3).その背景には,H. pylori感染が最も重要な胃炎の原因と考えられるようになり,除菌判定にも用いることができ,単純で包括的かつ理解しやすい胃炎分類を作成する目的があった.シドニー分類では組織学部門と内視鏡部門より構成されたが,組織学部門は1996年にupdated Sydney systemとして改訂がなされた4).シドニー分類では内視鏡所見,病理組織学的所見および成因を整理統合することが試みられており,分類というより記載方法という色彩が強い.それは内視鏡的に正常と診断しても,病理組織学的には40%以上に慢性胃炎の変化を認めるなど,内視鏡所見と病理組織学的所見には大きな不一致が存在しているとの原則に基づいている.

参考文献

1)Price AB. The Sydney System:histological division. J Gastroenterol Hepatol 6:209-222, 1991
2)Tytgat GN. The Sydney system:endoscopic division. Endoscopic appearances in gastritis/duodenitis. J Gastroenterol Hepatol 6:223-234, 1991
3)Misiewicz JJ. The Sydney System:a new classification of gastritis. J gastroenterol Hepatol 6:207-208, 1991
4)Dixon MF, Genta RM, Yardley JH, et al. classification and grading of gastritis. The updated Sydney System. International Workshop on the Histopathology of Gastritis, Houston 1994:classification and grading of gastritis the Sydney system. Am J Surg Pathol 20:1161-1181, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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