文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
分類
文献概要
定義
胃癌発生にH. pylori感染は必要条件と位置付けられ,それに伴う胃粘膜の炎症や萎縮が強く関与していることは明らかとなっている.簡便な血液検査である血清H. pylori抗体でH. pylori感染を,血清ペプシノゲン(PG)法で胃粘膜萎縮を判断し,その組み合わせで胃癌リスク層別化を行う方法をABC分類という1).
血清H. pylori抗体(−)PG法(−)をA群,血清H. pylori抗体(+)PG法(−)をB群,血清H. pylori抗体(+)PG法(+)をC群,血清H. pylori抗体(−)PG法(+)をD群として開始したが,D群の占める割合は非常に低く,PG法(+)を一括してC群として扱うことが多い.そして,胃癌罹患リスクに関するメタアナリシスでABCD 4群分類では有意差は示されず,ABC 3群分類で各群間の有意差を認めたと報告されている2).
胃癌発生にH. pylori感染は必要条件と位置付けられ,それに伴う胃粘膜の炎症や萎縮が強く関与していることは明らかとなっている.簡便な血液検査である血清H. pylori抗体でH. pylori感染を,血清ペプシノゲン(PG)法で胃粘膜萎縮を判断し,その組み合わせで胃癌リスク層別化を行う方法をABC分類という1).
血清H. pylori抗体(−)PG法(−)をA群,血清H. pylori抗体(+)PG法(−)をB群,血清H. pylori抗体(+)PG法(+)をC群,血清H. pylori抗体(−)PG法(+)をD群として開始したが,D群の占める割合は非常に低く,PG法(+)を一括してC群として扱うことが多い.そして,胃癌罹患リスクに関するメタアナリシスでABCD 4群分類では有意差は示されず,ABC 3群分類で各群間の有意差を認めたと報告されている2).
参考文献
1)Inoue K. Stratification of gastric cancer risk by H. pylori infection. Suzuki H, Warren R, Marshall B(eds).Helicobacter pylori, Springer Japan, Tokyo, pp 169-179, 2016
2)Terasawa T, Nishida H, Kato K, et al. Prediction of gastric cancer development by serum pepsinogen test and Helicobacter pylori seropositivity in Eastern Asians:a systematic review and meta-analysis. PLoS One 9:e109783, 2014
3)井上和彦.除菌治療の胃がんリスク分類への影響─ABC分類は胃がん検診のgateway.榊信廣(編).ピロリ除菌パーフェクトガイド.日本医事新報社,pp 181-183, 2015
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