文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
分類
大腸癌の肉眼型分類(classification of gross appearance for colorectal carcinoma)
著者: 二宮悠樹1 田中信治1
所属機関: 1広島大学病院内視鏡診療科
ページ範囲:P.732 - P.733
文献概要
大腸癌の肉眼型分類は,「大腸癌取扱い規約」1)において定義されており,その基本分類はTable 1の通りである(シェーマ1,2,Fig. 1〜10).このなかで,1〜5型は胃癌の肉眼型分類2)とほぼ同じであり,1〜4型は進行癌の肉眼型を意味する(シェーマ2).
0型は早期癌の分類であるが,早期胃癌2)とは少し異なる.隆起型0-I型は,0-Ip,0-Isp,0-Isに細分類され,表面型0-II型は早期胃癌と同様に0-IIa,0-IIb,0-IIcに細分類されるが,大腸にはIII型早期癌は存在しないので省かれている(シェーマ1).複合病変では,目立つ所見から順に“+”記号でつないで記載する.また,早期大腸癌の形態を形成する要素として,腺腫成分や過形成成分を含むことも多いが,肉眼型を決定する際には組織発生や癌/非癌,腫瘍/非腫瘍の違いを考慮せずに,病変の形を全体像として捉える.なお,0型は小さい病変が多いので,肉眼型は送気により腸壁の十分伸展された内視鏡所見で判定する.凹凸の評価のためにはインジゴカルミン撒布が望ましい.パリ分類3)では0-IIa型は,病変の高さが閉じた生検鉗子の高さ(約2.5mm)を超えないものを指し,それより高い病変は0-Is型に分類されること,0-Isp型は臨床的意義がないため省かれておりType 0-Isに含まれることが「大腸癌取扱い規約」と異なる.
参考文献
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