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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 分類

NSAIDs起因性腸病変の所見(NSAIDs-induced intestinal lesions)

著者: 蔵原晃一1 松本主之2

所属機関: 1松山赤十字病院胃腸センター 2岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野

ページ範囲:P.734 - P.735

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定義
 非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)起因性腸病変は,低用量アスピリンを含むNSAIDsによって正常な小腸ないし大腸に惹起された粘膜病変と定義される.
 NSAIDs起因性腸病変の肉眼像や病理組織像は非特異的な所見にとどまるため,診断には,他の薬剤性腸炎と同様に,腸病変(潰瘍,腸炎)の確認とNSAIDsの使用歴の確認に加え,生検と培養による他疾患の除外とNSAIDsの使用中止による病変の治癒軽快の確認を要する1)2)(Table 1).

参考文献

1)松本主之,飯田三雄,蔵原晃一,他.NSAID起因性下部消化管病変の臨床像─腸炎型と潰瘍型の対比.胃と腸 35:1147 -1158, 2000
2)蔵原晃一,松本主之,川崎啓祐,他.胃と腸図譜.NSAID起因性大腸病変.胃と腸 46:956-958, 2011
3)Matsumoto T, Kudo T, Esaki M, et al. Prevalence of non-steroidal anti-inflammatory drug-induced enteropathy determined by double-balloon endoscopy. A Japanese multicenter study. Scand J Gastroenterol 43:490-496, 2008
4)蔵原晃一,河内修司,川崎啓祐,他.小腸潰瘍の鑑別診断─X線診断を中心に.胃と腸 49:1267-1281, 2014
5)蔵原晃一,八板弘樹,浅野光一,他.狭窄を来す小腸疾患の診断─X線診断の立場から.胃と腸 51:1661-1674, 2016
6)八尾隆史,蔵原晃一,大城由美,他.非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)起因性腸病変の臨床病理学的特徴と病態.胃と腸 42:1691-1699, 2007
7)蔵原晃一,松本主之,八尾隆史,他.NSAID起因性大腸病変の臨床像と内視鏡像.胃と腸 42:1739-1749, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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