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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 分類

pit pattern分類(pit pattern classification)

著者: 前山泰彦1 鶴田修1

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門

ページ範囲:P.736 - P.736

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定義
 pitとは,粘膜表面の大きさ約50〜100μm程度の腺管開口部のことであり,その大きさ,形態や配列を観察する診断方法がpit pattern診断である.大腸病変のpit patternに関しては実体顕微鏡下での報告に始まり,その後平坦・陥凹型大腸早期癌に関しての実体顕微鏡像の検討が工藤ら1)により報告されて以来その診断学はより普及したと考えられる.pit patternは,現在は工藤・鶴田分類2)としてI〜V型に分類されている(Fig. 1).
 I型,II型pitは非腫瘍性病変に相当し,III型,IV型は腺腫に,V型は癌に相当するpitと考えられている.V型はpitの配列の乱れ,大小不同,左右非対称などの不整化したVI型(irregular)と,pit自体が腫瘍細胞のために閉じたり消失したり,無構造な表面構造となったVN型(non structure)に区分している.病理組織学的にはほとんどが癌であり,特にある領域をもってVN型を呈する病変はSM癌に認められる.また,VI型に関しては,内腔狭小,辺縁不整,輪郭不明瞭,stromal areaの染色性低下,scratch signを呈するものはVI型高度不整とされ,より深達度の深い病変を示唆している.

参考文献

1)工藤進英,三浦宏二,高野征雄,他.微小大腸癌の診断─実体顕微鏡所見も含めて.胃と腸 25:801-812, 1990
2)田中信治,寺井毅,今井靖,他.座談会 V型pit pattern診断の臨床的意義と問題点.早期大腸癌 5:595-613, 2001
3)唐原健,鶴田修,河野弘志,他.輪郭不明瞭VI型pitの意義.早期大腸癌 11:403-408, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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