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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 分類

Vienna分類と胃と大腸のGroup分類(Vienna classification and Group classification of the stomach and colorectum)

著者: 八尾隆史1

所属機関: 1順天堂大学医学部人体病理病態学講座

ページ範囲:P.741 - P.742

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定義
1.Vienna分類
 消化管上皮の生検組織診断基準が,欧米では間質浸潤を根拠として癌と判定するが,本邦では浸潤の有無にかかわらず細胞異型と構造異型により癌と判定するという違いがあった.その診断の統一のため,1998年にウィーンで開催された消化管粘膜内腫瘍診断のコンセンサスミーティングが開催され,消化管上皮性腫瘍のVienna分類が作成された(Table 1).Vienna分類では非腫瘍性(Category 1),腫瘍性(Category 3〜5),腫瘍かどうかの判定が困難(Category 2)の3群に分類することを基本として,腫瘍性のうち低異型度のものはCategory 3,高異型度のものはCategory 4,粘膜内もしくは粘膜下層以深への浸潤があるものはCategory 5に分類される.そしてさらに,Category 3には低異型度の腺腫と低異型度の非浸潤性上皮性腫瘍が含まれ,Category 4には高異型度の腺腫(4.1),非浸潤癌(4.2),浸潤性癌を疑うもの(4.3)が含まれ,Category 5には浸潤性のある癌のみが含まれる.
 なお,Vienna分類は食道〜大腸まで全消化管(炎症性腸疾患の腫瘍性病変も含む)の病理診断に用いられ,さらに生検のみならず切除材料の病理診断にも用いられる.

参考文献

1)Schlemper RJ, Riddell RH, Kato Y, et al. The Vienna classification of gastrointestinal epithelial neoplasia. Gut 47:251-255, 2000
2)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,第14版.金原出版,2010
3)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,第8版.金原出版,2013
4)Yoshida M, Shimoda T, Kusafuka K, et al. Comparative study of Western and Japanese criteria for biopsy-based diagnosis of gastric epithelial neoplasia. Gastric Cancer 18:239-245, 2015
5)Yao T, Shiono S. Differences in the pathological diagnosis of colorectal neoplasia between the East and the West:present status and future perspectives from Japan. Dig Endosc 28:306-311, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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