icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 分類

黒丸の分類(Kuromaru's classification)

著者: 大川清孝1 青木哲哉1

所属機関: 1大阪市立十三市民病院消化器内科

ページ範囲:P.744 - P.744

文献購入ページに移動
定義
 黒丸は肺結核患者400例の病理解剖標本を検討し,肉眼像を用いて腸結核の活動性潰瘍を8型に分類した(シェーマ)1).原文のまま記載すると,I型は初期の病変で粟粒大ないし麻実大の結核結節である.II型は結核結節の壊死物質が粘膜を破って腸腔に排出され,小潰瘍を形成したものである(Fig. 1).III型はそれがやや大きくなり,小豆大または扁桃大となったものである.IV型は,腸管の横軸方向の潰瘍で,輪状または帯状潰瘍と言われるものである.長径2cm以下のものをIVA型(Fig. 2),2cm以上のものをIVB型とした.V型は縦軸方向の潰瘍で,長径2cm以下のものをVA型,2cm以上のものをVB型とした.VI型は円形または類円形の潰瘍で,扁桃大以上のものである.VII型は不整形潰瘍で,扁桃大以上である.VIII型は潰瘍が互いに融合し,広範な潰瘍となったものである(Fig. 3).

参考文献

1)黒丸五郎.腸結核の病理.医学書院,1952
2)吉野総平,平山克哉,谷口雅彦,他.多発性粟粒大隆起を結腸の広範囲に認めた無症候性腸結核の1例.胃と腸 44:1477-1482, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?