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編集後記
著者: 味岡洋一1
所属機関: 1新潟大学医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
ページ範囲:P.1115 - P.1115
文献購入ページに移動 免疫組織化学染色(以下,免疫染色とする)が日常の病理診断や疾患の病態解析研究ツールとして用いられるようになって久しい.その技術も確立,簡便化され,現在はどの病理関連施設でもルーチン化作業として行えるようになっている.病理診断の領域でも,良悪性診断,癌の組織型診断,悪性度推定,転移性腫瘍の場合の原発巣推定,治療法の選択など,その用途は全臓器で多岐にわたっている.また,病態解析研究ツールとしても常に新たな抗体が開発され,これまでのHE染色標本の形態解析ではわからなかった新たな知見が得られるようになってきている.
免疫染色を最も身近な存在として活用しているのは,おそらくは病理医であろうと思われる.しかし,その病理医でさえ,免疫染色の種類や用途,評価法,評価の限界の全てに精通しているわけではなく,専門と異なる臓器に関しては,これらのことや,その臓器では標準的とされる免疫染色の種類や意義,染色の組み合わせ(免疫染色パネル)について不案内なことも少なくない.一方では,臨床の専門分野化が先鋭化している現在,特定の臓器・疾患に精通している臨床医の免疫染色に関する知識が,病理医のそれを凌駕していることもまれではない.
免疫染色を最も身近な存在として活用しているのは,おそらくは病理医であろうと思われる.しかし,その病理医でさえ,免疫染色の種類や用途,評価法,評価の限界の全てに精通しているわけではなく,専門と異なる臓器に関しては,これらのことや,その臓器では標準的とされる免疫染色の種類や意義,染色の組み合わせ(免疫染色パネル)について不案内なことも少なくない.一方では,臨床の専門分野化が先鋭化している現在,特定の臓器・疾患に精通している臨床医の免疫染色に関する知識が,病理医のそれを凌駕していることもまれではない.
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