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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻9号

2017年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸スクリーニングの現状と将来展望 主題

美麗な二重造影─私のコツすべて教えます─美しい注腸X線造影検査を求めて

著者: 入口陽介1 小田丈二1 水谷勝1 高柳聡1 冨野泰弘1 山里哲郎1 岸大輔1 大村秀俊1 清水孝悦1 橋本真紀子1 中河原浩史2 中河原亜希子1 並木伸3 長濱正亞4 山村彰彦5 細井董三1

所属機関: 1東京都がん検診センター消化器内科 2日本大学病院消化器病センター 3都立多摩総合医療センター消化器内科 4昭和大学藤が丘病院消化器内科 5東京都がん検診センター検査科

ページ範囲:P.1136 - P.1144

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要旨●注腸X線造影検査における美しい画像を得るための基本的な考え方と撮影技術について報告した.注腸X線造影検査では,①残渣の少ない前処置法が必要条件であるが,前処置法(等張法,高張法)の相違によって,洗腸効果だけでなく腸粘膜の状態(wet,dryなど)が異なるため,②付着性を考慮してバリウムを選択することが重要である.撮影技術は,③バリウムをできるだけまとまった状態でダイナミックに移動させ,腸管の粘液や残渣を洗い流すために2〜3往復した後に均一に付着させる.④病変を,正面像・側面像・斜め像から,さらに病変周囲に溜めるバリウム量を変えて立体的多角的に描出する.⑤S状結腸は空気量少なめ,上行結腸は空気量多めにして,必要があれば圧迫枕を使用する.⑥撮影装置にCアームがあればひだは接線方向に描出すると読影しやすい.以上,バリウムの付着ムラがなく,病変の形態学的特徴を正確に描出することが重要である.

参考文献

1)Brown GR. A new approach to colon preparation for barium enema. Med Bull(Ann Arbour) 27:225-230, 1961
2)杉野吉則,日比紀文,光島徹,他.AS-4370(モサプリドクエン酸塩水和物)を併用したMGV-5(ニフレック)による注腸X線造影検査前処置法の検討─ブラウン変法との比較試験(第III相臨床試験).日大腸検会誌 25:99-114, 2008
3)松川正明,山崎武志,千葉俊哉,他.大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か─原則必要とする立場から:注腸X線検査の精度について(大腸内視鏡検査と比較して).胃と腸 33:705-711, 1998
4)宮崎信隆.注腸X線検査,撮影法の標準化への取り組み─全例同じ方法で撮影することを目指して.日大腸検会誌 33:101-106, 2017
5)入口陽介,小田丈二,水谷勝,他.注腸X線造影検査の今後の役割.日大腸検会誌 33:18-24, 2017
6)今枝博之,杉野吉則,岩男泰,他.当院における大腸憩室症の特徴と合併症.消化器科 41:226-231, 2005
7)藤田昌久,松本潤,高西喜重郎.左側型大腸憩室症の臨床的検討.臨外 60:1163-1168, 2005
8)佐原力三郎,野津聡(監),奥田圭二,腰塚慎二(編).注腸X線検査─基本手技編,増補版.ベクトル・コア,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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