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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻9号

2017年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸スクリーニングの現状と将来展望 主題

挿入から観察まで─私のコツすべて教えます─挿入法と病変拾い上げのコツとピットフォール

著者: 田中信治1 岡志郎2 林奈那1 二宮悠樹1 田丸弓弦2 住元旭1 平野大樹2 山下賢2 保田和毅1 松本健太2 田中秀典1 茶山一彰2

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬保健学研究科内視鏡医学 2広島大学大学院消化器・代謝内科学

ページ範囲:P.1150 - P.1162

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要旨●大腸内視鏡挿入一人操作法では,左手のみでスコープのアングルを操作し,右手はスコープの出し入れと軸の回転のみに使用する.一人操作法の基本は“軸保持短縮操作”で,常にスコープのフリー感を感じるように短縮操作を繰り返す.可能な限り送気を避け,むしろ吸引を多用することで屈曲部を鈍化させるように努める.スコープが彎曲した場合,その彎曲をトルクをかけながら解除することで生じるスコープの弾発力を利用して自然に深部挿入されていくという感覚が重要で,深部へスコープを進めることよりも,スコープを常に直線化しフリー感を維持するようにする.病変の拾い上げに関しては,ポリープを意識する感覚を捨て,胃の0-IIc型早期癌を見つけるような意識が重要である.表面型病変の診断には空気量を変化させながら,①淡い発赤,②血管透見像の消失,③粘膜面の光沢の異常,④ひだの太まりや不整,⑤fine networkの消失などに注意することが重要である.なお,小さな0-IIc型病変ばかりを意識していると,大きな側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)を見落とす危険性がある.
本論文では,大腸スクリーニング手技の動画を見ることができます(公開期間:2020年8月まで).
詳細は,動画閲覧(アクセスコード取得方法)のご案内をご覧ください.

参考文献

1)五十嵐正広,田中信治(編).ワンポイントアドバイス─大腸内視鏡検査法.日本メディカルセンター,2004
2)田中信治(監).永田信二,岡志郎(編).見逃しのない大腸内視鏡の挿入・観察法.日本メディカルセンター,2012
3)津田純郎,帆足俊男,八尾建史,他.表面陥凹型大腸腫瘍性病変を見つけるための内視鏡検査.早期大腸癌 1:41-48, 1997
4)山野泰穂,工藤進英.IIc病変を見つけるための大腸内視鏡検査.早期大腸癌 1:49-58, 1997
5)岡志郎,田中信治,河村徹,他.「大腸病変」色素内視鏡による鑑別診断.消内視鏡 18:1885-1890, 2006
6)岡志郎,田中信治,茶山一彰.「大腸」基本的事項〈2〉コントラスト法と染色法.田尻久雄,田中信治(編).消化管拡大内視鏡診断の実際─観察のコツと診断のポイント.金原出版,pp 131-138, 2004
7)Dinesen L, Chua TJ, Kaffes AJ. Meta-analysis of narrow-band imaging versus conventional colonoscopy for adenoma detection. Gastrointest Endosc 75:604-611, 2012
8)Pasha SF, Leighton JA, Das A, et al. Comparison of the yield and miss rate of narrow band imaging and white light endoscopy in patients undergoing screening or surveillance colonoscopy:a meta-analysis. Am J Gastroenterol 107:363-370, 2012
9)Jin XF, Chai TH, Shi JW, et al. Meta-analysis for evaluating the accuracy of endoscopy with narrow band imaging in detecting colorectal adenomas. J Gastroenterol Hepatol 27:882-887, 2012
10)Horimatsu T, Sano Y, Tanaka S, et al. Next-generation narrow band imaging system for colonic polyp detection:a prospective multicenter randomized trial. Int J Colorectal Dis 30:947-954, 2015
11)Ogiso K, Yoshida N, Siah KT, et al. New-generation narrow band imaging improves visibility of polyps:a colonoscopy video evaluation study. J Gastroenterol 51:883-890, 2016
12)Yoshida N, Hisabe T, Hirose R, et al. Improvement in the visibility of colorectal polyps by using blue laser imaging(with video). Gastrointest Endosc 82:542-549, 2015
13)Ikematsu H, Sakamoto T, Togashi K, et al. Detectability of colorectal neoplastic lesions using a novel endoscopic system with blue laser imaging:a multicenter randomized controlled trial. Gastrointest Endosc 2017[Epub ahead of print]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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