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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻9号

2017年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸スクリーニングの現状と将来展望 主題

カプセル内視鏡

著者: 斎藤彰一12 井出大資12 玉井尚人2 猪又寛子2 炭山和毅2 加藤智弘2 田尻久雄2

所属機関: 1がん研有明病院消化器内科 2東京慈恵会医科大学内視鏡科

ページ範囲:P.1170 - P.1174

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要旨●大腸カプセル内視鏡は2006年に開発され,現在,第2世代内視鏡が汎用されている.従来の小腸用カプセル内視鏡と異なり,両側2か所にカメラが内蔵され,1秒間に4枚の撮像が可能である.大腸カプセルの場合,腸管洗浄度と撮影時間内に盲腸〜直腸まで全大腸観察が可能かどうか問題となる.内視鏡治療が必要である10mm以上の大腸ポリープの検出率における感度は88%,特異度89%と良好な成績が報告されている.また,本邦3施設で行われた多施設共同研究による大腸ポリープ検出の特異度は94%であった.今後,大腸がん検診における役割として期待されるが,運用コストや前処置,排出率などの問題点が挙げられ,今後の検討が必要である.

参考文献

1)国立がん研究センターがん対策情報センター.部位別がん年齢調整死亡率の推移,1958〜2015.
2)岡志郎,田中信治,國原紗代子,他.大腸カプセル内視鏡.胃と腸 51:872-880, 2016
3)Hartmann D, Keuchel M, Philipper M, et al. A pilot study evaluating a new low-volume colon cleansing procedure for capsule colonoscopy. Endoscopy 44:482-486, 2012
4)Eliakim R, Yassin K, Niv Y, et al. Prospective multicenter performance evaluation of the second-generation colon capsule compared with colonoscopy. Endoscopy 41:1026-1031, 2009
5)Spada C, Barbaro F, Andrisani G, et al. Colon capsule endoscopy:What we know and what we would like to know. World J Gastroenterol 20:16948-16955, 2014
6)Saito Y, Saito S, Oka S, et al. Evaluation of the clinical efficacy of colon capsule endoscopy in the detection of lesions of the colon:prospective, multicenter, open study. Gastrointest Endosc 82:861-869, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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