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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻9号

2017年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸スクリーニングの現状と将来展望 ノート

NBIによる大腸表面型腫瘍のスクリーニング

著者: 藤井隆広1

所属機関: 1藤井隆広クリニック

ページ範囲:P.1210 - P.1214

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要旨●大腸表面型腫瘍のスクリーニングは,内視鏡機器の進化とともに白色光(white light imaging ; WLI)からNBIなどの画像強調観察へと変わりつつある.当院でのWLIとNBIによる腫瘍発見能の比較検討では,NBIがLST-NGの発見に有用であった.また,陥凹型腫瘍のNBI所見は,陥凹面が白色調,反応性隆起部はbrownish areaとして視認され,これを“O-ring sign”と呼び,NBIによる陥凹型腫瘍発見の特徴像と考えられた.なお,盲腸に限局してWLI→NBI→インジゴカルミン色素(chromoendoscopy ; CE)の順に観察をし,微小腺腫の発見数を前向きに検討したところ,CE 47病変>NBI 37病変>WLI 11病変で,最終観察のCE観察で発見された微小腺腫が最多であり,CE観察がそのほかと比較して最も有用であった.現状の全大腸スクリーニングには,NBI観察による盲腸からの抜去観察が有用だが,将来へはCE観察を越える画像強調観察への開発が期待される.

参考文献

1)工藤進英.早期大腸癌─平坦陥凹型へのアプローチ,医学書院,1993
2)Machida H, Sano Y, Hamamoto Y, et al. Narrow-band imaging in the diagnosis of colorectal mucosal lesions:a pilot study. Endoscopy 36:1094-1098, 2004
3)藤井隆広.大腸表面型腫瘍に対するNBI観察の有用性.日臨 69:277-283, 2011
4)佐野寧,田中信治,工藤進英,他.The Japan NBI Expert Team(JNET)大腸拡大Narrow Band Imaging(NBI)分類.Intestine 19:5-13, 2015
5)藤井隆広.微小癌.大腸癌perspective 3:4-9, 2016
6)藤井隆広.症例のまとめ─Interval cancerとPost-colonoscopy CRCについて.Intestine 21:85-90, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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