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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻10号

2018年09月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の拡大内視鏡診断─食道学会分類を検証する 序説

食道表在癌の拡大内視鏡診断─食道学会分類を検証する

著者: 門馬久美子1

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科

ページ範囲:P.1325 - P.1327

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はじめに
 食道扁平上皮癌の拡大内視鏡分類には,井上分類1)と有馬分類2)があり,共に優れた分類として用いられてきた.しかし,画像強調拡大内視鏡の普及に伴い,画像が読影され,議論される機会が多くなり,そのたびに,“井上分類では”“有馬分類では”という注釈がつけられた.食道癌に精通していない,一般の内視鏡医から,複雑で混乱するため,できれば統一してほしいとの要望が,多くのところで聴かれた.当時の日本食道学会の理事長(幕内博康)が,日本食道学会の委員会として,“拡大内視鏡による食道表在癌深達度診断基準検討委員会”を設置し,小山恒男を委員長に任命し,井上分類,有馬分類をもとに,簡便で初学者にも使いやすい分類の作成を依頼した.約2年にわたり,熱心に討議し,「日本食道学会拡大内視鏡分類」3)が作成された.

参考文献

1)Inoue H. Magnification endoscopy in the esophagus and stomach. Dig Endosc 13(Suppl 1):S40-41, 2001
2)Arima M, Tada M, Arima H. Evaluation of microvascular patterns of superficial esophageal cancers by magnifying endoscopy. Esophagus 2:191-197, 2005
3)Oyama T, Inoue H, Arima M, et al. Prediction of the invasion depth of superficial squamous cell carcinoma based on microvessel morphology:magnifying endoscopic classification of the Japan Esophageal Society. Esophagus 14:105-112, 2017
4)友利彰寿,小山恒男,高橋亜紀子,他.隆起型食道扁平上皮癌の深達度診断─拡大内視鏡を中心に.胃と腸 48:337-345,2013
5)竹内学,橋本哲,小林正明,他.日本食道学会拡大内視鏡分類と深達度─深達度診断におけるB2血管の意義.胃と腸 49:164-172,2014
6)藤原純子,門馬久美子,立石陽子,他.日本食道学会拡大内視鏡分類と深達度─深達度診断におけるB2血管の意義.胃と腸 49:174-185,2014
7)池田晴夫,井上晴洋,佐藤裕樹,他.日本食道学会拡大内視鏡分類と深達度─深達度診断におけるB3血管の意義.胃と腸 49:186-195,2014
8)平澤大,藤田直孝,前田有紀,他.日本食道学会拡大内視鏡分類と深達度─深達度診断におけるAVAの意義.胃と腸 49:196-203,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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