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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻10号

2018年09月発行

文献概要

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編集後記

著者: 小山恒男1

所属機関: 1佐久医療センター内視鏡内科

ページ範囲:P.1411 - P.1411

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 日本食道学会分類(JES classification)は2011年に原案が完成し,prospective studyを経て,2017年に「Esophagus誌」にpublishされた.JES classificationでは,まず乳頭内血管ループ(intra-epithelial papillary capillary loop ; IPCL)に注目した.初期の扁平上皮癌(squamous cell carcinoma ; SCC)は基底膜を破壊せず,既存の乳頭構造を置換性に発育する.この結果,拡大内視鏡で観察すると,不整ながらループを保った異常血管が観察される(JES B1).しかし,深部へ浸潤すると乳頭様構造は破壊され,loopを呈さない新生血管(腫瘍血管)JES B2,B3が出現する.JES classificationは単なる血管パターン分類ではなく,血管構造を読み解くことで癌の進行過程を推察しうる,優れた分類であり国内外で広く使われるようになった.
 その一方で,“JES B2はT1a-LPMからT1b-SM2まで幅広く出現する”,“JES B2はびらんや炎症でもみられる”,“JES B3やAVA-Lは頻度が低いため,T1b-SM2の感度が低い”など,残された問題点が指摘されてきた.そこで本号では,JES classificationを再検証するとともに,近年解明された新たな拡大内視鏡所見を検討することにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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