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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻12号

2018年11月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたい十二指腸病変 主題症例

腸リンパ管拡張症の1例─十二指腸病変を中心に

著者: 鎌野俊彰1 大宮直木1

所属機関: 1藤田医科大学消化管内科

ページ範囲:P.1673 - P.1678

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要旨●患者は50歳代,男性.下肢浮腫を主訴に近医を受診し,血液検査で低蛋白血症を認め,各種検査で原因不明のため当科に紹介となった.上部消化管内視鏡検査とダブルバルーン小腸内視鏡検査で十二指腸下行部から空腸にびまん性に白色絨毛,散布性白点を認めた.生検病理組織像で著明なリンパ管拡張を認め,腸リンパ管拡張症と診断した.内視鏡観察時に絨毛から乳びの漏出を認め,リンパ漏出を直接確認することができ,他の内視鏡像と合わせて,腸リンパ管拡張症の診断に有用な所見として考えられる.

参考文献

1)Waldmann TA, Steinfeld JL, Dutcher TF, et al. The role of the gastrointestinal system in “idiopathic hypoproteinemia”. Gastroenterology 41:197-207, 1961
2)青柳邦彦,江口浩一,飯田三雄.炎症以外の小腸非腫瘍性疾患─腸リンパ管拡張症.胃と腸 43:667-671, 2008
3)Ohmiya N, Nakamura M, Yamamura T, et al. Classification of intestinal lymphangiectasia with protein-losing enteropathy:white villi type and non-white villi type. Digestion 90:155-166, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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