文献詳細
文献概要
今月の主題 腸管感染症─最新の話題を含めて 序説
腸管感染症─最新の話題を含めて
著者: 平田一郎1
所属機関: 1大阪中央病院消化器内科
ページ範囲:P.381 - P.382
文献購入ページに移動腸管感染症のうち日常診療でよく遭遇するのは,カンピロバクター腸炎,サルモネラ腸炎,腸炎ビブリオ,病原性大腸菌腸炎,エルシニア腸炎など,急性胃腸炎型の細菌性腸管感染症である.C. difficile(Clostridium difficile)腸炎やMRSA(methicillin resistant Staphylococcus aureus)腸炎は抗菌薬の多用による菌交代現象,長期入院者の院内感染や高齢者などの場合に好発する.サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)腸炎,MAC(Mycobacterium avium complex)腸炎,糞線虫症,イソスポーラ症,ランブル鞭毛虫症,クリプトスポリジウム症,真菌性腸炎などの多くは宿主の免疫力低下による日和見感染症である.性行為感染症(sexually transmitted disease;STD)による腸炎には,アメーバ性大腸炎の約30%,梅毒性や淋菌性腸炎,クラミジア直腸炎,尖圭コンジローマ直腸炎などがある.
参考文献
掲載誌情報