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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻4号

2018年04月発行

文献概要

今月の主題 腸管感染症─最新の話題を含めて 主題

腸管感染症の診断と治療

著者: 斉藤裕輔1 佐々木貴弘1 杉山隆治1 助川隆士1 稲場勇平1 富永素矢1 小澤賢一郎1 垂石正樹1 藤谷幹浩2

所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター 2旭川医科大学消化器・血液腫瘍内科分野

ページ範囲:P.391 - P.398

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要旨●感染性腸炎の診断を進める場合,最も重要なのは臨床所見である.詳細な病歴から感染性腸炎との診断のみならず,疾患の絞り込みも可能である.これに糞便や血液を用いた細菌学・生化学・遺伝子的検査所見を加えることで,ほとんどの感染性腸炎の確定診断が可能となる.USやCT,X線造影・内視鏡などによる画像所見は,病変の好発部位,形状,配列などを分析することで潰瘍性大腸炎やCrohn病などの狭義のIBDとの鑑別に有用である.治療としては補液による脱水の補正と食事療法,適切な抗菌薬の使用が重要であり,起因菌が不明の場合はニューキノロン系抗菌薬,またはホスホマイシンの投与が推奨される.

参考文献

1)渡辺英伸,味岡洋一,太田玉紀,他.炎症性腸疾患の病理学的鑑別診断─大腸病変を中心に.胃と腸 25:659-682, 1990
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8)相楽裕子.感染性腸炎の分類と食中毒─新しい感染症法,食品衛生法をふまえて.臨消内科 19:1091-1099, 2004
9)Zimmerhackl LB. E. coli, antibioticus, and the hemolytic-uremic syndrome. N Engl J Med 342:1990-1991, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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