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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻4号

2018年04月発行

文献概要

今月の主題 腸管感染症─最新の話題を含めて 主題

─最近注目される腸管感染症─クラミジア直腸炎

著者: 松井佐織1 吉田晋也1 野口千彰1 浦上聡1 松岡里紗1 西尾昭宏1 印藤直彦1 北村泰明1 杤谷四科子1 宮永靖子2 藤田光一1 阿南隆洋1 渡辺明彦1 菅原淳1 藤田剛2 向井秀一1

所属機関: 1淀川キリスト教病院消化器内科 2淀川キリスト教病院健康管理科

ページ範囲:P.441 - P.445

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要旨●クラミジア直腸炎は,いくら状・半球状小隆起が典型的内視鏡像とされるが,自験例では典型例が少なく,丈の低い隆起や隆起を伴わない例を認めている.自験例46例のうち初回内視鏡検査時に隆起性病変を認めた42例では丈の低い隆起を27例(58.7%),不整隆起を17例(37.0%),丈の高い隆起(典型例)を4例(8.7%)に認めた.隆起を伴わなかった4例(8.7%)では,びらん・アフタ,発赤の所見を認めた.クラミジア直腸炎では,半球状小隆起以外の内視鏡所見が認められることも多いと考えられ,診断に注意が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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