文献詳細
文献概要
増刊号 早期胃癌2018 序説
早期胃癌の過去・現在・未来
著者: 吉田茂昭1
所属機関: 1青森県
ページ範囲:P.520 - P.521
文献購入ページに移動 いきなり他誌の話で恐縮だが,日本胃癌学会の機関誌である「Gastric Cancer」のインパクトファクター(2016/2017)がついに5.454と5点台を超えた.日本発の癌関連英文誌が5点を超える時代が来るとは夢想だにしなかったが,この出来事は,わが国の胃癌研究がこれまで世界をリードし続けてきた証しとも言えよう.長らく診療に携わってきた者の一人として同慶の至りであるが,本誌の序に代えて,ここに至る道程を少し振り返ってみたい.
かつて胃癌は日本の国民病とも言われ,長い間,癌死亡の圧倒的1位を占めてきた.その突破口を切り拓いたのは,何と言っても1962年の早期胃癌の定義とその肉眼分類の提唱であろう1).爾来,“早期胃癌の発見”が対癌戦略(早期診断/早期治療)の格好の目標となり,まさに国の総力を挙げた取り組みによって,多くの診療実績が蓄積され,研究成果が次々と発信された.
かつて胃癌は日本の国民病とも言われ,長い間,癌死亡の圧倒的1位を占めてきた.その突破口を切り拓いたのは,何と言っても1962年の早期胃癌の定義とその肉眼分類の提唱であろう1).爾来,“早期胃癌の発見”が対癌戦略(早期診断/早期治療)の格好の目標となり,まさに国の総力を挙げた取り組みによって,多くの診療実績が蓄積され,研究成果が次々と発信された.
参考文献
1)田坂定孝.早期胃癌の全国集計.Gastroenterol Endosc 4:4-17, 1962
2)Muto M, Minashi K, Yano T, et al. Early detection of superficial squamous cell carcinoma in the head and neck region and esophagus by narrow band imaging:a multicenter randomized controlled trial. J Clin Oncol 28:1566-1572, 2010
3)Ezoe Y, Muto M, Uedo N, et al. Magnifying narrowband imaging is more accurate than conventional white-light imaging in diagnosis of gastric mucosal cancer. Gastroenterology 141:2017-2025, 2011
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